上海高齢者介護テクノロジーパーク視察レポート
2025年9月、私は上海市閔行区にオープンした「高齢者介護テクノロジー産業パーク」を訪ねました。入口で迎えてくれたのは視界いっぱいに広がる巨大な曲面モニター。映し出されたのは上海が直面する高齢化社会の課題と、それを解決するために国策として進められる取り組みの数々でした。未来への挑戦を体感するようなスタートに、同行した仲間も皆、胸を高鳴らせていました。

館内では、介護を支える多彩なロボットが次々に登場します。温熱刺激で体を癒やす「お灸ロボ」、囲碁を打ちながら会話を広げる「囲碁ロボ」、500mlの水で全身を洗える「全自動シャワー」など。展示というよりも、すでに生活に根付いている現場のリアルさに圧倒されました。

なかでも圧巻は「パワードスーツ」でした。腰や膝を補助する外骨格を装着した高齢者が、まるで50代に戻ったかのように軽快に歩き出す姿。その表情には「自分の足で歩ける」という希望が満ちていました。介護スタッフにとっても、このスーツは大きな味方です。腰痛を心配せずに利用者を抱きかかえ、重い荷物を運ぶことができる――人を守る技術が、人を支える人も守るのです。
移動を自由にする「自動車いす」も印象的でした。山道や砂利道でも安定して進み、外出や旅行を可能にする。高齢者にとって移動の自由は生活の豊かさそのもの。これほど心強いパートナーはありません。

さらに「バイタル情報センサー」にも注目しました。心拍や呼吸をリアルタイムに検知し、異常があれば即座に知らせる。独居や在宅介護における安心感を高め、家族の不安を和らげる力を持っています。
今回の上海視察を通じて感じたのは、AIやロボットは冷たい機械ではなく、高齢者の尊厳と安心を守る“伴走者”だということ。日本でも導入は始まっていますが、これから本格的に普及すれば、高齢者の自立を支え、介護現場の負担を減らす未来が必ず訪れるでしょう。
私たちウェルビーは「高齢者が安心して心豊かに暮らせる社会」の実現を目指しています。上海で体感したワクワクを日本につなぎ、現場に届ける挑戦を続けていきます。