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親の「大丈夫」を信じ続けるのは、愛か、それとも無関心か。2026年のお金管理に訪れる限界点

2026.04.16
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親の「できる」という言葉の裏側に、何が隠れているのか

実家に帰るたび、親に「お金の管理は大丈夫?」と問いかけ、その返事に安堵していませんか。しかし、その安心は、私たちが向き合うべき現実を先延ばしにしているだけかもしれません。

2026年4月、朝日新聞が報じた最新のデータは、私たちが抱く「親はまだ自立している」という希望的観測を根底から揺さぶるものでした。日常生活に大きな支障がないはずの「要支援」の段階であっても、約3割の高齢者が銀行での手続きに困難を感じているという実態が明らかになったのです。

親の「大丈夫」という言葉は、子供に心配をかけたくないという愛ゆえか、それとも自分自身の衰えを認めたくないという恐怖ゆえか。その沈黙の裏側にある不安に、社会全体がどう向き合うべきかが問われています。

3人に1人が直面する、目に見えない機能の低下

以下の数字は、私たちが想像している以上に、金銭管理の能力が早い段階から損なわれていることを示しています。

身体の状態:預貯金の出し入れが困難な割合:公共料金の支払いが困難な割合

全体平均:29.2%:30.5%

要支援1:16.5%:18.6%

要支援2:27.6%:28.4%

要介護1:61.1%:61.2%

注目すべきは「要支援」の段階です。見た目は元気で会話もしっかりしている。それでも、約20パーセントから30パーセント近い人が、脳の機能的な低下により、抽象的な数字の処理や複雑なATM操作に限界を感じ始めています。

この段階で見落とされがちなのが、認知機能のわずかな低下を突く消費者被害です。健康食品の定期購入や、住宅の不必要な点検、電話勧誘。被害者の多くは、自分が騙されているという自覚がありません。親が築き上げた大切な資産が、知らない間に第三者の不当な利益へと消えていく。その責任の所在は、家族だけでなく社会全体の課題として浮き彫りになっています。

通帳を取り上げることは、人生の決定権を奪うことと同義か

「心配だから、通帳と印鑑を預からせてほしい」

この提案は、高齢者にとって一人の人間としての自律を終わらせる宣告に聞こえてしまうかもしれません。自尊心を傷つけられた結果、周囲への不信感を募らせ、かえってトラブルを隠すようになる負の連鎖も報告されています。

しかし、2026年の今、社会には「奪う管理」ではない、新しい選択肢が広がりつつあります。

例えば、次世代型プリペイドカード「KAERU(カエル)」のようなフィンテックを活用した仕組みです。これまでは現金か通帳かという二者択一でしたが、こうしたデジタルツールは第三の道を示しています。本人は自分のカードでこれまで通り買い物をする自由を維持し、家族はアプリ等を通じてその履歴をそっと見守る。万が一の紛失や詐欺の疑いがあれば、即座に利用を停止できる。

これは個人の自由を制限するものではなく、自由を継続させるための社会的な基盤となりつつあります。

2026年、選ぶべきは「共同意思決定」というプロセス

認知症の新薬が登場し、早期発見の価値が劇的に高まっている今、求められているのは、一方的な決めつけではなく、医療や福祉、金融機関が連携した「共同意思決定」というプロセスです。

本人の意思を最大限に尊重しながら、どう資産を守り抜くか。その一歩は、親を単なる「守られる対象」としてではなく、共に未来を考えるパートナーとして扱うことから始まります。

「管理させてほしい」ではなく、「いつまでも自由に、好きにお金を使える状態を続けるために、一緒に準備をしたい」という歩み寄り。この問いかけを、社会全体で当たり前の文化にしていく必要があります。

最後に:家族にとっての正解を問う

お金の問題は、単なる数字の話ではありません。それは、本人が歩んできた人生への敬意と、これからの安心をどう形にするかという、尊厳に関わる問題です。

今、親の世代に起きている変化は、遠くない未来に私たち自身にも訪れる課題です。お金の話を避けることが優しさなのか。それとも、現実を直視し、新しい技術や制度を賢く取り入れていくことが誠実さなのか。

今夜、あるいは次の週末、親御さんの言葉の端々に隠された小さな困りごとに、耳を傾けてみてください。そこには、新しい親子関係を築くためのヒントが隠されているはずです。

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